「…てかさ、ここってさ、天ケ瀬が経営してんでしょ?」

「や、俺じゃねーけど」

「あんず、ここでバイトさせてもらえばいーじゃんか!!」


天ケ瀬くんの言葉に耳も傾けず、みかさが心底楽しそうな目で私を見る。



「私が…?」

「さっき、こんなケーキに囲まれて暮らせたらなぁって言ってたじゃん!」


…確かに。
こんな素敵なお店なら、バイトしてみたい!!



「天ケ瀬くん!!」

私はイスから勢いよく立ち上がって、天ケ瀬くんを見る。


「え、は…?森もアンタも、話飛びすぎだろ…」

天ケ瀬くんが困ったような呆れたような顔をして私とみかさを交互に見る。



…ちょっと話ぶっ飛んでるし、ちょっと強引なのは分かってる。
でも、このお店、凄く好きだし、女として、このままガサツ女呼ばわりなんてやだ…!!



「天ケ瀬くん!!」


もう一度念を込めて天ケ瀬くんの手を握ると。
天ケ瀬くん…
じゃなくて、何故か後ろから、盛大な笑い声が聞こえた。