「…ていうか、やっぱり新作とかも千尋くんが考えたりするんだね?」
「うん、でも、俺はグラシエ目指してるから、ソルベとか、冷菓を主に担当してる…かな。」
千尋くんの言葉に、今度は私が首をかしげる。
『グラシエ』って、千尋くんが自己紹介してくれた時にも言ってたけど、何なんだろう…?
「…グラシエっていうのは、冷たいお菓子…例えば、プリンとかアイスクリームとか、ソルベとか。そういうものの職人のことを、グラシエって言う。」
私の疑問を察したのか、千尋くんが丁寧に説明してくれた。
「なるほど。」
私は頷く。
そんな私を見て、千尋くんも頷いた。
「…私たちが、美味しいスイーツを食べられるのは、千尋くんたちが、こうやって色んな工夫を考えてくれるからなんだね。…感謝しなくちゃ。」
当たり前みたいに、このお店に来てスイーツを食べていたけれど。
商売とはいえ、美味しいスイーツにはこんな裏での努力があったなんて。
少しだけ、世界が広がったみたいで嬉しいなぁ。
そんな私を見て、千尋くんは、とても穏やかな表情をしてくれていた…──。

