Sweet.Ⅰ
カフェオレ的決別論
1.苦い別れは恋の醍醐味?
「みかさ?今ね、patissrie Amagaseにいる。うん、ありがとう、待ってるね。」
電話を切って、カバンにケータイを放り込む。
…あ、これが駄目なんだっけ。
心の中でそんなことを呟きながら、私はテーブルに頬杖をついた。
私は、若月あんず。
大学1年生。
風通しの良いテラス席に差し込む光はそろそろ夏を思わせる。
こんな爽やかな日は、…デートをしているはずだった。
だったのに。
愛しの彼氏、ゆうくんから突然別れを告げられたのは、ほんの3日前のことだった…──。