いや、ダメだ。手を出すんじゃねぇこのクソ猫が! と、黒い言葉で心の子猫に一喝すると、
面白くなさそうに子猫は唾をぺっと吐いて引き返した。
「しけたパンツ履いてんなぁ、もっとこうセクシーなのはねーのか? 真っ白い普通のババパンツばっかこんなに持っててよ、黒や赤や、真ん中開いてるのなんかねーんか?」
まままままま真ん中開いてる?????
どんなパンツそれ!
「信じられない! もういいですから霧吹さんはそこらへんに座ってて下さい! うろうろされると気になって荷物片づきませからっ!」
真っ赤になった葵は霧吹をどうにかこうにかベッドに座らせ、
「なんでベッドに入るんですか!!」
勝手にベッドに入り込んだ霧吹にびっくりして後ろに隠していたパンツを落とした。
「パンツ落ちた」
めざとく見つけるのが霧吹だ。
「もー!!!」
困りはてるも、この人は自由な人なんだと考え直し、こういう場合はできるだけ早く荷物を詰めることが大事なんだと割り切り、荷物整理に専念した。

