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目が冷めた葵は、見覚えのある天井にドキリとした。
耳を澄ますと、例の如く、カッポーンカッポーンと、聞き慣れたししおどしの音。
懐かしいお線香の匂いとそこに混じる畳の匂い。霧吹の家の部屋だと気付いたが、全身打撲のおかげで痛くて体が動かない。
首を回そうにも、ムチ打ちのようになっているので、回らない。
その首には包帯が巻かれ、体中も包帯でぐるぐるミイラのようになっていた。従って、起きても起きたと合図できないわけだが、葵の視覚の隅に黒い丸。
防犯カメラだ。
まさかの部屋に防犯カメラ。
自分の部屋にもあったのかと思うと、末恐ろしくてそれ以上考えられなかった。
ドッキンドッキンする心臓をなだめ、防犯カメラを凝視する。
カメラの中に小さい人がいて、監視されているような気分になる。
きっとそこには四郎がいるんだろうが。

