「南はん……。ええお名前どすな」 『え?そうですか?嬉しいな……親のくれた大事な名前ですから褒めてもらうと嬉しいです』 「……あ、あの!!」 『はい?』 「う、うち……。そこの通りにある谷木真屋【ヤギマヤ】で働いとるんで。ぜひ、いらしてください」 『谷木真屋?ですか?』 「は、はい!!今回の御礼もかねてお安くします」 『本当ですか?では、遠慮なくいきますね♪』 私の返事に、女の人は安心したような微笑を浮かべた。