「ったく……。誰かに聞けよ」 『焦ってたんで、聞くって事が選択肢にありませんでした』 「まぁいい、それで??喋れなくなるくらい屯所内を走り回って、俺に何を伝えたかったんだ??」 『大丈夫です』 「は??」 土方さんの疑問の声が、聞こえて簡潔に言い過ぎたと、慌てて言い直した。 『人を手にかけるって事が、どれほどキツイ物か私は知りません』 ギュッと爪が白くなるくらいこぶしを握る。走った所為で出た汗が私の頬を伝った。