————次の日。


学校に行くと、いつも通りの日常が待っていた。


「姫芽ーー!ナツーー!おはよう!!!」


南は相変わらずテンションがおかしいくらい高いし。


「ええっ?!ナツと相坂さんが朝から一緒に登校している?!」


勇哉はまた、どーでもいいところで勝手に騒いでいる。



「ちょっとちょっと〜。同じアパートだからって風紀が乱れてません?」

「うるせーな、クソ勇哉」

「なに?!?!」



ヒメも、俺たちの会話を聞いて、いつも通りにケラケラと笑っていた。


伸びてきた髪を、ポニーテールに結んでいるヒメは、少しずつ少しずつ、本物の“綿菓子”のようなヒメにもなりつつあって。


でも、


「乱れてるかどうかなんて、そんなん俺らが教えるわけねーよな?ヒメ」

「は?!な、なな朝からなに言って、なななに言ってんだナツ、冗談やめろ」


…相変わらず、こんな口調の時もあるわけで。



それでも


そのどっちもが、俺の、俺たちの好きなヒメだから。



これからも、“綿菓子”と“唐辛子”、どっちのヒメでもいてほしいと思っているよ。