「ヒメ、どうした?なんか言いたいならちゃんと言いなよ」

「…」


ヒメの向かい側に立って、顔を覗き込む。

相変わらずとんがった口をしているヒメは、俺が目を向けた途端に、じわじわと赤くなっていく。



「え、ヒメ?」



なんだその反応。なんで赤くなるわけ…



「…ナツは、」

「ん…?」


「ナツは、もっとうちと一緒にいたいとか、そういうの思わないのかよ…」

「………………」



?!?!?!?!




ぶう、と膨れているヒメの顔が、みるみる真っ赤になっていくのを見て、俺の心臓はガッツリと掴まれて、そのまま大きく跳ね上がった。


「え?!だって、ほら、もうあの、その、夜だし…帰って……風呂入って…寝た方がいいのかな……って………」


「…………」



…自分でも頭の整理がつかないうちに、気がつくとキュッと、服の裾が握られていた。



…って!!!これは!!!いったい!!!



「…あの…ヒメさん…?」

「…………」





えええええ……

もしかして、え、ほんきでいってる…?