【完】王子様の甘い溺愛



「お前になりたいって思ったよ、何度もな」



その声には羨ましそうな、でもどこか上の空な声色に、顔を顰める。



「俺も咲姫に愛されたいって何度も何度も思った。……でも、無理なのもわかってた」



なんだ、こいつ?


なんでこんな……愛しそうにそんな事を言う。