じー……っと、彼を見つめる。 「消して……ください、お願い……」 喉から振り絞った声はどこか震えていて、止まっていたはずなのに涙で視界がボヤける。 「ふっ……そりゃ嫌だよな。あの桃已咲姫(ももい さき)が泣いてるなんて、みんな驚くぞ?」 ……さっき同様にやっと口の端をあげる彼の台詞で、妙にひっかかる"あの"という言葉。