「翔貴に優しくする必要ないじゃん」



冷たい、桃。


でもそのままでいろ。

俺はお前を幸せになんかしてやれない。


桃と結ばれるのは、

俺以外のやつ………。


そう考えるだけで、

腹が立つ。


その真っ白な肌に、

何度傷をつけたいと思ったか。



「しませんー、お姉ちゃんと違うから…」



そんな寂しそうな顔をしないでくれ。


俺だって桃が好きだ。

だけど、

莢に傷をつけた以上、

俺は莢から離れることなんて出来ない。


いくら桃が寂しそうな顔をしたって、


俺は抱き締めてやれないんだ……。