「…翔貴?」
「莢」
「…なによ改まっちゃって」
「…あのな」
「なに?」
変わらない笑顔。
変わらない態度。
変わらない口調。
なんで……、
莢が傷を負わなくちゃいけねぇーんだよ。
莢は、
男っぽい性格だけど、
れっきとした女。
「莢に……傷があるんだ」
「傷?ないわよ、そんなの」
「…俺が付けたんだ。」
「…えっ?」
意味がわからなさそうに、
首をかしげる。
ごめん、桃。
俺は………、
「事故のせいで莢に傷を負わせたんだ。」
「あたし…に傷?ふざけないでよ!好きな人が出来ても見せれないじゃない!」
「ごめん」
「責任とってよ」
「そのつもりだ。」
「離さないでよ?あたしの傷は治らないんだから」
俺は……、
桃への気持ちを消し去るよ。