「きゃぁっ!」


――ガンッ


鈍い音が聞こえた。



「お…ねぇちゃん…?」

「さ……や……?」


俺が突き飛ばしたせいで、

背中を強く打った。

頭も強く打ったせいか、

出血していた。



俺の体は震えていた。



手術室に入って、1時間。


「あ、先生」

「彼女は大丈夫ですよ?早く連絡してくれたお陰ですよ」

「よか……た…」

「背中に傷があります。」

「…え?」

「…女の子ですが」



あぁ、俺はなんて事をしたんだろう。

莢は女の子なのに、傷を負った。

ただムカついただけで、

突き飛ばして、

莢に傷を負わせたんだ。