稜side


朝から桃に、

「アンタ…彩希になんかした?」

って言われる始末。


してねぇーよ。

抱いたくらいだろ?



「んな顔すんな?桃が悲しくなんだろ?」


愛翔……。

誰にもでも優しい愛翔。

そんな愛翔が1番に優しくする奴……。


俺は優しく出来ねぇのに、

サラッとやる愛翔は、マジで尊敬する。



「愛翔…」


いい雰囲気かもし出してんじゃねぇーよ!!


あぁー、イラつく。

イチャイチャすんなら、他行ってくんない?

目障りー!!!


「…んだよ、桃」

横からすげー見られてる。

痛いほどわかってしまう視線。


「稜ってバカよねー」

「はぁ!?」



いつの間にか湊さんまで来て、

なんだから話し合いしてる模様。


「あんたもあの戦いに入れば?」

「…やだし」

「へぇー?彩希が誰かのものになっていいんだ?」


意地悪く聞く桃。

愛翔たちの方を見てみれば、

愛翔たちの話がよくわからないのか、

1人で混乱してるアイツ。


「可愛いでしょ?」

「…ブスではないんじゃね?」

「ひねくれもの。」

「うっせーよ!」

「…今日」

「今日?」

「なんか彩希化粧してないの。」

「え?」



俺の言葉真に受けたわけ?

まぁ普通に可愛いかったし?

あん時はなんか、

俺以外にこんな可愛い顔見せんのが、

腹立って言っただけだし。