「稜ー、稜!」
「おわっ、兄貴!?」
「お前なー、彩希に迷惑かけてんなっつの」
「…意味わかりません。かけた覚えねぇーし」
……少しだけある。
「彩希が“稜が起きないの、あたしこれから部活あって残れないから翔貴にぃ任せていい?”って言いに来たんだぞ」
「…部活?」
「サッカー部のマネだよ、マネ」
「…へぇー」
俺の好きなスポーツのマネか。
追っかけ?(笑)
でも“幼なじみ”っつてたよな。
「よぉー、稜!」
「湊さん」
「湊なにようだ?」
「翔貴もいたのか!」
「いました」
「んでさ」
おいおい、
兄貴スルーかよ!!
「彩希ちゃんがさ、稜は保健室にいるってゆーから来てみた」
「彩希が?」
「そー、彩希ちゃん。今日本当は一緒に帰るんだけど、稜にお願いしてい?」
「はっ?!なんで」
「そーゆー気分じゃなくなったってゆーかさ」
「相変わらずの気まぐれっスね」
「だろ?」
誉めてませんが。
「彩希校門とこ」
「へいへい」
「手ぇ出すなよ?」
「出さねぇよ。…人のモンなんかに」
「なに?」
「別に?」
「そうか?」
「じゃ、行きますわ」
「「いってらー」」
陽気な2人が、
若干イラッとする。