もしも願いが叶うなら


「だーれーか…」


一瞬で動けなくなって。


一瞬で真っ黒い気持ちが支配した。



「…先輩とあいつ?」


俺のサッカー部の先輩、

“柊湊”(ヒイラギミナト)

がいた。


「…へぇ?」


なんだろう、このイラつき。


狂いそうになる。


「もしもしー」

「んっ…朝早いわよ?」

「菫…今すぐ抱いてイイ?」

「はぁ?稜に彼女いたでしょ?あたし彼女持ち嫌いなの」

「…蹴りつけたら?」

「あんた…本当にどうしちゃったわけ?」



……うっせーよ。


この気持ちをどこかにぶつけたいんだ。


……なんでもいいから。