「だから、もういいの」

「…ダメだ」

「えっ…?」

「俺は彩希しか無理だから。」

「っ!?」

「彩希の隣にいていい?」

「で、…も」

「いいよ、彩希と付き合おうとか思ってない。ただ一緒にいてぇだけ」

「りょ…う…」

「彩希の楽しかった話も、辛かった話も、全部聞く」

「…っ」

「彩希が泣きたい時は俺が隣にいてやる。彩希が笑いたい時は俺も一緒に笑ってやる。」

「うん…」

「彩希の1番側にいる。彩希を1人ぼっちになんかしない。」

「うん…うん……」

「だから、一緒にいていいか?」

「稜っ…!」

「彩希。」



泣いて抱きついてくる彩希を、

俺は抱き締め返した。



…1人になんかしない。


彩希を泣かせたりしないから。