「…だから…」
彩希が死んだって俺は泣いてなんかやらないんだ。
「稜ちゃん、ありがとね」
「…別に」
おばさんたちは俺に任せろ。
だから………、
こっちに戻ってきたくないなら戻ってくんな。
心配は要らねぇよ…。
「戻ってきてよぉ…」
「彩希…俺は…」
「彩希!死ぬな!」
「…彩希はあたしの光」
みんなそれぞれ言葉は違うけど、思ってる事は1つだけ。
“死なないで”
ただこれだけだろう――………。
「稜もなんか言えよ」
「…好きにしろよ」
俺が言えるのはこれ。
結局決めるのは彩希なんだ。
俺たちの言葉が届かなかったら…彩希は戻って来ないだけ。
…でも本当は戻ってきてほしいんだ。