あれから1週間経った。


「えー、退院してきた奴を紹介するー」

「おっ、待ってました」



稜が来る。






―ガラッ…


「おひさー」

「えぇ!?超チャラくね!?」

「昔の稜に戻ったってとこか」


稜の小学校からの親友、

“左藤愛翔”(サトウマナト)

が言った。



「やっほー、愛翔!…あ」


稜の瞳があたしを捕らえた。



「お前…」

「彩希ちゃーんっ」

「先輩!」

「あ…ちょ……」



なにか言いたげな顔をしていたけど、

“お前”

と言った時点で、

稜はあたしをこれっぽっちも思い出してないと痛感した―……。