「彩希ちゃんが泣いてるから。」



……先輩。

あたし今泣いてるんだよ。



ねぇどうして来てくれないの?


ねぇどうして後ろから抱き締めてくれないの?





「会い……ったいよぉ……!」




やっぱり会いたくて。


隣に先輩が居ない。



どうしてあたしを置いてったの?


あたしも連れていってよ。



先輩がいない世界に、


あたしが生きる意味なんてないから。





「……」


















気付いたときにはあたしは自分の手首を切っていた。





深く………深く………。











「…重いかな、先輩」



でもあたしには先輩しか居ないの。



先輩しか要らないの。