「…泣かないでよ」



涙は止まることを知らなくて。


止める術を知っているなら、

俺達はみんな泣かない。




「…わかってるよ…」

「え…?」

「先輩に会えないのはわかってる!」


…そうだったのか。


彩希はちゃんと理解していた。


…じゃあなんで?



「…信じたくないの」

「彩希…」

「先輩が居ないなんて信じたくないっ!!」



彩希が闇に引きずり込まれてる。



…助けなきゃいけねぇのに体が動かない。



湊さん……なんで死んだんだ。