「じゃ、俺らこっち」

「また!」



先輩達は大学へ。


あたしたちは高校へ。




「稜ー、あんた今日委員やってくんない?」

「はぁ?…今日俺、ラブホ」

「別にどーでもいいじゃん、それ。」

「酷くね?ww」

「今日委員決めるやつ稜絶対手あげてよ!?」

「俺の予定乱れんだけど」

「あんたの予定なんか知りませーん」

「…彩希は?」

「えっ!?」



久しぶりに呼ばれた…。


一緒に登下校しても、

稜は桃と話してばかりだから。



「あたし?」

「彩希に聞いてんじゃん?相変わらずバカだなww」



――ドキッ


稜の笑顔にあたしは弱い。

女の子達に笑顔を向けない稜。



「あたしは保体かなぁ」

「…んじゃ俺も」

「稜ストーカー」

「はっ?俺が彩希にストーカーする分けねぇじゃん」


前の優しい稜はもういない。



冷たい……冷たい………






稜しかいない――………。