「やっぱり……稜はあたしを好きじゃないって痛感したの……。愛のないエッチは……あたし…したくなかったよ…」

「…っ」

「大好きだよ、稜」






俺の頬を愛しそうに撫でる。

そんな温もりがパッと消えて




「さよなら、稜」

「…え?」



そう言うと女は乱れた服を直して、


病室を出た。






「…は?さよならってなに?大好きだよって言ったじゃん」





なんだろう、

この胸が張り裂けそうな、

尋常じゃない胸の痛さ。


この苦しさ―………。










その日を最後に女は、

見舞いに来なかった。