「…彩希と居たいわ」
「先輩っ……」
「…大好きだ、彩希」
「先輩……」
もう“好き”なんて言えそうにないから。
今言っとくよ。
俺は本当に彩希が好きだった――………。
「…先輩大好き」
「…うん、知ってる」
彩希の“好き”は、
先輩としてだってわかってるから。
「…違うよ……」
「…え?」
“違う”ってなに?
違ってないだろう?
「…先輩大好き」
「…うん。」
「湊…大好き」
「…!?」
みな…と?
先輩じゃなくて……?
「…あたしは湊…」
「彩希言わないで」
「えっ?」
「嬉しくて死にそうだから」
「…好きですよ」
「…うん、わかった」
やっぱり泣いてる、彩希。
でも今日は、来てよかったな。
泣いてる彩希を、
俺が抱き締められて…。
想いが伝わったから。

