そんな俺も修旅に行かなくては行けなくて。
１週間近く会えなかった。
「湊ー？元気ねぇじゃん」
「…うっせ」
「お前なー」
翔貴がとにかくうるさかった。
「湊君っ」
彩希じゃない女なんか興味無かった。
「…はぁ」
「うざったいなぁ」
「うるせーよ、莢」
「彩希がいないからってうざったい」
「莢ちゃん湊君にそんな事いわな…」
「目障り、消えて」
「ひ…ひどいっ！」
「ちょっと湊！女子にその言い方ないわ！」
「んだよ、俺はね彩希ちゃん以外は興味ないの」
「…はぁ」
「あ、彩希からメール」
「はっ！？」
翔貴の携帯にメールが。
俺にくれないくせに…。
「『修旅楽しんでる？』」
「…ふん」
「後はお前で読め。」
「はっ…？」
そう言って渡された携帯。
なんで？
人の携帯見る趣味ねぇし。
ま、読んどくか。
えっと……、
『修旅楽しんでる？…あたしは桜の木の下にいます先輩が居ないから１人』
……これは遠回しに“寂しい”って事？
『翔貴にぃと莢姉と修旅enjoyしてね!!でも早く帰ってきてね??』
……可愛い。
可愛い過ぎるーっっ！！
なにこのメール！
「おい、翔貴！」
「な、なんだよ」
「このメール俺に送れ！」
「はぁ？めんど…」
「保護する」
「はっ！？」
「だから送れ。じゃなかったらこのまま不機嫌で居るぞ」
「はぁ……わーったよ」
「Thank Youな！」
「Thank Youだけ発音よくすんな！」
「…本当に彩希が好きね。稜だって彩希を好きなのよ？」
「それが？」
「「えっ！？」」
「彩希ちゃんには俺が必要。俺にも彩希ちゃんが必要」
俺たちは必要としあってるんだ。
