もしも願いが叶うなら



それから何かあるたび、


桜の木の下に来ては、


先輩と会っていた。




「だぁーれだ?」

「…せ…んぱっ…」

「…せーかい」



優しく後ろから抱き締めてくれる、先輩。


先輩……。




「どーしたの」

「…っ!」

「泣くな?」


先輩は優しい。



あたしはなにかある度ここに来て、


先輩と一緒に過ごした。