稜side



彩希が、

菫の存在を気にしてるなんて思わなかった。





あれから1ヶ月……。



「稜〜?」

「んだよ、兄貴」

「最近優しい稜見かけねぇな」

「仕方ねぇじゃん?昔の俺なんだし」

「だよな〜、優しくなれたのは彩希のお陰だしな」

「で?」

「もーすぐで俺、卒業じゃん?」

「あぁー、確かに」

「おま…」

「で?」



別に卒業とかどーでもいんですけど。

だってさー、俺的に今は彩希を考えたいから。