キスなんて無理!!
しかもあたしから!?
いやだぁ〜!!
「しろと言っている」
「むひといっへる〜」
「ゴチャゴチャ言わないでこーすりゃいんだよ」
「んんぁ////」
稜のキスは甘くて優しくて好き。
だけど――…………、
「ふぁ……ん///」
長くて苦しい。
「わかった?」
ニヤッと笑いながら聞いてくる稜。
わからない。
わかりたくもな〜いっ!
「知る必要ありませんからわかりません」
「お前なぁ〜」
「てか稜…前の稜に似てない?」
「そりゃ同一人物ですから?」
「…そう…」
「…気になるか?俺の過去」
「幼なじみだから知ってる事は知ってる」
「じゃあなんで思い詰める?」
「…嫌なんだもん…」
「え?」
「例え、初恋があたしでも、初めては菫って人…」
「……」
嫌なんだよ。
ねぇ嫌なの。
わがままでごめんね。
「忘れろ。」
「えっ…?」
「昔の事は忘れろ。俺にはお前しか必要ない」
「…稜」
そうだよね。
“過去”は“過去”だよね。