やっぱり俺には、





彩希を譲る事なんて考えられない……。








「彩希〜!!」

「え…稜?」

「止まれ!」

「えっ……なに?」



俺は、彩希を抱き締めた。


ずっと抱き締めたかった。


俺で。


昔の自分じゃなくて。