「…もう嫌……」
本当にもう嫌になってきた。
あたしはいつ、
幸せになれるの?
あたしね、
ずっと我慢してきたの。
ずっと側にいれば、
記憶がなくても、
もう1回稜が振り向いてくれるんじゃないかって……夢見てた。
現実は違うね。
振り向いてもらえるどころか、
嫌われてるじゃん。
「彩希……」
「…稜がそんなに好き?」
「あたしには稜しかいないんですっ……」
“好き”って思えるのも、
“ドキドキ”するのも、
全部稜なの。
なのにあたしは、
稜以外の誰かと付き合わなくちゃいけないの?
神様は余りに残酷。
あたしは何もしてないのに。
ただ側にいただけなのに。
ただ恋をしただけなのに。
それでも“罰”を受けなくちゃいけないの―……?