ご飯もお風呂も済ませた。


「じゃ稜の部屋で寝てね?」

「え…!?」

「それじゃあおやすみ」


本当に稜と寝るの!?

嘘だよね!?

あたしたちもう高校生ですよ!?


「お前、ベッドで寝ていいぞ」

「えっ?」

「母さんは言っても利かない」

「稜は?」

「俺はソファーで寝る」

「それじゃあ稜が…」

「お前は客だろ?」

「……」



なんか嫌。

あたしだけ温かいのは嫌。

不平等じゃない。



「稜と一緒にベッドで寝る!」

「はっ!?」



これが1番いいアイディアでしょ?

あたしってば頭いい〜!!


「お前…自分がなに言ってんのかわかってんの?」

「…え?」

「はーっ!!これだから天然は!!」

「……」


天然?

あたし?

あたしが天然?

絶対違うでしょ。



「一緒のベッドで寝てなにがあっても知らねぇよ?」

「……!!」


あたしって意外とバカ?

自分から“一緒寝よう”

って誘ってどうすんの!?

あーあ……。


「んじゃ寝る?」


ニヤッと笑って近づいてくる。


「稜っ//」

「いいじゃん?俺ら1回ヤってんだし」

「…触らないって約束してくれる?」

「はぁー?」

「あたし愛のないえっちはもうしたくないの」

「……」

「ねぇ約束して?」


2人に愛があるならしてもいいと思う。

だけど、私だけが好き。

あたしたちに“愛”なんてない。

愛の“あ”の字もないよ。


「約束…してやるよ…」

「本当に?」

「あぁ。」



あたしね、気づかなかったの。

稜の記憶が戻ってたなんて…。

あたしの何気ない言葉で稜を傷つけてるなんて……。