彩希side
最近……稜と話してない。
あたしと……離れたかったのかな……?
「彩希ー」
「愛翔!」
「俺見て元気出た感じ?ww」
「もー!でも元気出た」
「あー、可愛いな!」
そう言って愛翔は、
あたしの頭をクシャクシャと撫でた。
「髪グッチャww」
「愛翔がしたんじゃん!」
「彩希は色気ずかなくてもいーのに」
「色気がないから?」
「バーカ、ありすぎだ」
「えっ!?」
「知らない人だったら、“誘ってんの?”って言われるさ」
「あり得ないっ」
「あり得るから言ってんだろ?俺だって彩希なら襲えるぞ?」
「はっ//!?」
急になにを言い出すの!?
おおおお襲える//!?
色気がある//!?
あたしには“色気”なんて言葉最も合わないのに。
「可愛すぎ」
「まま愛翔//?」
今日の愛翔はなんか変。
「湊さんがコクった」
「あ……うん」
先輩の事は当分触れないでほしい。
あたしだって先輩の事は好きだった。
だけど、“恋愛”じゃなかった。
「湊さんとの事には触れないでほしいって顔してる」
「だって…」
「なぁ、彩希?」
「うん?」
なんだか真剣な愛翔。
あたしも真剣になってしまう。