もしも願いが叶うなら


「莢姉も遊ぼーよ!」

「さぁちゃん…」


それは小さな手だったけど、

小さなあたしにとっては大きく見えた。



「莢姉も遊ぶって!ねぇ?」


無邪気な笑顔であたしを見る。


さぁちゃんは……、

彩希はあたしの……、

“光”。



恋する事を教えてくれた。

友達との接し方を教えてくれた。

仲間の大切さを教えてくれた。



年上なのに、彩希に助けられた。



「彩希」

「…翔貴が好きなんでしょ?」


初めての初恋。

初めての失恋。


「莢姉泣かないで?恋に傷は付き物だよ」



そう言って、抱き締めてくれた。



「…彩希?」

「莢姉が泣くから泣けてきちゃった…」



あたしの為に泣いてくれる人。


彩希が好かれる理由を、

あたしが1番わかってる。

彩希はとっても温かくて、

素直な人。