いつしか償いは、エカテリーナにとって、魔法の研究に費やす日々にすり替えられていった。


楔のように心臓を打つ悔いは、エカテリーナの心を泥に沈めるほど残酷で、

――時を刻む日々がエカテリーナを八歳のままに置き去りにすると、

いつしか彼女は償うことの意味すら忘れた。


ただ悲しみを抱え、父に言われたとおり、塔の中で日々を過ごす。


異国による侵略も、王や王妃、そしてその息子たちや自分の父親が、敵国の将軍に首を跳ねられて次々に死んでいったことも。

変わらぬ日常を求めて民が武器を持ち立ちあがることをせず、時が過ぎるのを待つように家に閉じこもって関わりを避けたことも。

当時の官吏たちが侵略の事実を歴史の書物の一頁として記すにとどめ、強国におもねる態度をとったことも。


動乱の時期を虚しさで耐え忍び、生き抜いた彼らの人生が、

天に流れる箒星のように瞬く間に消えていったことも知らずに。


エカテリーナは過ごした。

隔離されたその世界で、

終わりの見えない人生を送ること、それが小さき魔女のすべてだった。