「沙弥 久しぶり」
懐かしい声で幹生が、あたしの名前を呼んだ。
幹生はあの頃のまま変わってない…
でも・・・何故?
佳幸があたしと幹生を会わせる為に ここへ誘った?
あたしのことなんて
全然思ってないという証拠
あたしは自然と涙が溢れた。
「ばぁーか!ここで泣くなよ
幹生に会えたからってさ!」
もう佳幸は完璧勘違い
あたしが泣いたのはあんたのせいなのに!
「まぁーここへ座って!」
案内されたのはカウンター
「何握ろうか?
オレがおごるからさ」
中から幹生があたしたちに聞いた。
「幹生が払うなら中トロとウニと」
と、全く遠慮なんてしない佳幸



