すると授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った


最後の授業が終わり、みんなが帰り出す。

篠が帰っちゃう

その前に、引き留めなきゃ…。


篠がガタッと席を立った時、
私はとっさに篠の袖を掴んだ。


「何?」

いつも以上に冷たい目が私に向けられた、


何…。

とにかく引き留めなきゃ
としか考えて無かった私は

言葉に詰まってしまった。

「えっと…」


自分でも何を言えばいいのか分からなかった。

「用無いなら帰るから」


そう言って前へ進もうとする。