「あーははは、ゆうちゃんエビちり好きでしょー?」
機嫌を取るような声ののぶさん。

私はまっすぐ前を向いたままドキドキを悟られないようにするのが精一杯。

「・・・エビチルィ?」低い声で言うエビチリ・・・

おいしいはずの「エビチリ」はなんだか怖そうな食べ物にしか聞こえない。

「・・・のぶさん、何やったんですか?」矛先はのぶさんに向かった。

ホッと胸を撫で下ろす。

「え?いやいや何もないよ、ねぇ桃華ちゃん。ただ楽しくお酒を飲んでいただけだよ。ねー?」わざとらしく笑って、楽しんでる。

「はい、楽しく飲んでました」のぶさんを見て、今度は私が一人で頷く。