「ゆうちゃん、いつ以来よここ来るの。
全く顔みせないなーなんて思ったらいつの間にか奥さんなんか作って」
店主のおっさんは見当違いなことを言ってのけた。

「そんなんじゃないです。仕事です」
おっさんの言葉を秒殺した。

「え?そうなの?」
北島さんの顔をちらりと見たが、北島さんは黙って日本酒を喉に流し込んでいた。

「まぁ、あれだ。ゆうちゃん女っ気無かったのにさ、寄ってくる女の子はいっぱいいたもんね、そんなのが女の子連れて来たからさ、てっきり」

ばつが悪そうにおっさんは頭を掻いた。