「だったら、社長、私とおつきあいしてもらえませんか? 私だったら絶対、社長にそんな思いさせませんし、 愛し続ける自信が、ありますからっ!」 胸の前でタオルケットを掴んで震える様は、 守りたくなる女の代名詞だろう。 祐哉はびっくりして何かを考えているし、 かすみさんは今にも田中さんに飛びかかろうとしている風に見えるし、 私は、私の中で何かが剥がれ落ちて行く感覚に陥るし・・・ それと交替に、冬眠から冷めた春の風みたいものが私の中に芽生えて、 急激に成長している気も・・・・した。