残りの『これ以上のものはない』を喉に無理矢理流し込み、
ポーチからお金を取り出すと、テーブルに叩きつけた。

高鍋さんには先に帰ったと伝えてと、びっくりしているバーテンに頼み、

私は挨拶もしないまま、ポーチ片手にダッシュした。

「おい待て!」

祐哉が咄嗟に伸ばした手を華麗に避けて、

高鍋さんじゃないけど脱兎のごとく、その場を後にした。