「ばっかじゃないの!あんた何言っちゃってくれてんのよ!」
「だから、怒らないでくださいよって言ったじゃないですかぁ!」
「ありえない!!!」
コーヒーを持つ私の手を、高鍋さんの手がおさえている。
「だからすみませんって!でも普通そう思うじゃないですか!一緒に旅行なんて行くって言ったらそう思いますって!」
「だからって、なんでみんなに言いふらす必要があるのよ!」
祐哉と私が付き合っていると、そうみんなに言いふらしたらしい。
もちろんみんなはそれを聞いていて、
私にマークという彼氏がいることなんて知らなくて、
そんな話をしているところを、まだ見ぬ『かすみ』さんが
足を止めて話を聞いていたなんてことに、
気付く訳がなかった。

