日本茶は、干からびそうになっている私の心を少しだけ潤してくれた。 一気に流し込むと、祐哉が2杯目を注いでくれた。 2杯目も勢いよく喉に通す。 畳の部屋に正座して、テーブルの上で湯飲み茶碗を持つ。 一点を見つめ、「無」になる。 いや、無にはならない。頭の中には複雑な文字が頭を駆ける。 一言の会話も無し。 電話もまったく鳴らない。電源が入っているし、 圏外でもないのをちゃんと確認した。