「起きろ。着いたぞ」
ギアーをパーキングに入れて背伸びをする。
「あ、なんかごめんね寝ちゃって。しかも一人で運転疲れたでしょ」
車の外はもう真っ暗。
「何言ってんだよ、京都だぞ」
気にもせず、外に出る。
空気が違う。
なんだかこう、歴史のある、違う場所にいる~って空気。
肺いっぱいに吸い込む。
そういえば京都は盆地だって聞いたことあるな、
京野菜が美味しいって言ってた気もする。
車を降りるとそこにあるのは老舗旅館。
新館、旧館とあり、私たちは旧館へ案内される。
そこは江戸末期から昭和までの風情が残る数寄屋造りになっていた。

