「お先にどうぞ」 行き先ボタンを押さない祐哉を気にしてか、マークが祐哉を先に出す。 「どうも」祐哉はにこりともしないで先に出る。 私のことは完全無視だ。目すら合わせない。 「同じ階の人だったんだね」 「・・あー、そうなの・・かな?」何も言えないです、すみません。 マークの手が私の腰に回り、私もマークの腰に手を回す。 はたから見りゃ、仲良しカップルだけど、私の心境は複雑すぎる。 別に悪いことしているわけじゃないんだけど、 なんだか悪いことをしている気分になる。