熱で朦朧とする男はどうにかこうにかシャツだけ脱いだ。
仕方なくベルトだけゆるめ、
「自分で脱いで」と言うとやっぱりくすっと笑う男。

バスルームで見つけたローブを渡し、その上にブランケットをかける。
額に冷やしたタオルを乗せると、そのうち眠りについた。

私はテーブルの上のシャンパンボトルに目をやる。
具合悪いのにお酒ですか?
ワインクーラーごとキッチンへ持って行った。
そこで発見したものは薬の袋。どっかの病院で処方された薬だ。

「もしかして薬をシャンパンで飲んだ?」なんてバカな男。
バカなんて人のこと言ってる場合じゃ無いじゃない。

「あんたの方が100倍バカじゃない」
私はソファーで眠る男に向かって小さく呟いた。