「私、大丈夫だよ。たっくん、心配してくれてありがとう。それから、健ちゃんも」
鈴が二人の顔を交互に見てにっこりと笑う。
にらみ合っていた健一と卓也は、鈴に視線を戻し、その小さな膝と肘からは赤い色がにじんでいるを見た。
バツが悪そうに頭をかきながら、健一が立ち上がり、鈴に手を伸ばす。
そんな健一を見て卓也も立ち上がり同じようにする。
鈴は、少し驚いたように目を見開くが、左手を健一に、右手を卓也に差し出すと、少年二人は息を合わせて鈴を立ち上がらせた。
立ち上がった三人は、お互いに顔を見合わせて照れくさそうに笑う。
ブワッ!!
そのとき、春を告げる強烈な風が吹き荒ぶ。
「きゃあ!」
「うわ!」
「っく!」
息ができないほどの風をやり過ごし、うっすらと瞳をあける三人。
「あっ!」
小さく悲鳴を上げた鈴を二人が振り返る。
引っ込んでいた涙が再びたまりだし、ついには鈴の瞳からとめどなく流れ出した。
鈴が二人の顔を交互に見てにっこりと笑う。
にらみ合っていた健一と卓也は、鈴に視線を戻し、その小さな膝と肘からは赤い色がにじんでいるを見た。
バツが悪そうに頭をかきながら、健一が立ち上がり、鈴に手を伸ばす。
そんな健一を見て卓也も立ち上がり同じようにする。
鈴は、少し驚いたように目を見開くが、左手を健一に、右手を卓也に差し出すと、少年二人は息を合わせて鈴を立ち上がらせた。
立ち上がった三人は、お互いに顔を見合わせて照れくさそうに笑う。
ブワッ!!
そのとき、春を告げる強烈な風が吹き荒ぶ。
「きゃあ!」
「うわ!」
「っく!」
息ができないほどの風をやり過ごし、うっすらと瞳をあける三人。
「あっ!」
小さく悲鳴を上げた鈴を二人が振り返る。
引っ込んでいた涙が再びたまりだし、ついには鈴の瞳からとめどなく流れ出した。