鈴は、千絵の髪を留めていたその白い布をほどいた。

「あった!」

鈴が歓喜の声を上げる。

「えっ、マジで?」

「本当?」

健一も卓也も鈴の元へと走ってくる。

「うん、ほらこれ」

鈴は健一と卓也の目の前にその白いハンカチを広げた。

そのハンカチには、不思議な詩のような言葉が蒼い糸で綴られている。

「うーん、何々……。『子供たちの声がこだまする箱の中。鉄のオリの無数の玉に囲まれる』。……何だこれ?」

「うん、何だろうね?でも、これって暗号みたい」

卓也の言葉に、健一と鈴が顔を見合す。

「「暗号?」」

二人は再びその文字を凝視する。

千絵は静かにそんな子供たちをニコニコと笑いながら眺めていた。