ハンドパワー


周りを見ても特に変わった形跡がない。

「どうしたの?」


私の異変に気づいた新くんが訊く。


「ぎゃあああ!」

そしたら、突如脅かし役の人が脅かしたから、蘭がまた悲鳴を上げた。


「今、寒気したから…  何でかな?  と思って…

気にしないで」


私は彼の問いかけに答える。


「そう…」

その一言だけが返ってきた。


気のせいか…な。


でも今脅かしてた人、すごく生々しかった。


特殊メイクしてるのかしてないのかさえ、わからなかった。