ハンドパワー


「いいじゃん」


私はどこか腑に落ちないでいた。


「懲りないねぇ」


蘭に一言言うと、私たちは最後にお化け屋敷に入った。


「いやああああ!!」


さっきから蘭だけの悲鳴が響いている。


少し笑わせてもらってる。


ほんのちょっとだけだよ。


ガタン!


「今鳴ってはいけない音、したよな?」

突然不審な音が聞こえ、それを察知した充くんが言う。


「うん、確かに聞こえた」


「そう? 僕には聞こえなかったけど…」


私には聞こえて、新くんには聞こえてなかったみたい。